ヴァインキルフェン村に700年の歴史をもち、先代のフランツ・プラーガーは「ヴィネア・ヴァッハウ」設立者の一人。現在は、生物学・地形学研究者からワイン造りへ転身したトニが当主として指揮を執る。「From Rock to Wine」畑の個性を表現することに心血を注ぎ、まさに彼のワインは「味わいの違い=テロワールの違い」。伝統と革新、そしてサスティナビリティーを融合した複雑な哲学を持ち、環境への深い配慮と次世代への責任を貫くワイン造りに徹している。
ジェームス・サックリング:98 ポイント PRAGER RIESLING WACHAU KLAUS SMARAGD 2022 Wednesday, October 25, 2023 Country Austria Region Danube Vintage 2022 Score 98 What a stunning example of cool climate riesling. It’s full-bodied and deep, but so cool and delicate, packing in sleek layers of honeysuckle, apricots, lemons and grapefruit married to thyme and crushed rock. So long and seamless, with tension and focus that just keeps going. Sustainable. Try from 2025.
先代のフランツ・プラーガーはワイナリーを現在の地位まで引き上げた功労者であるだけでなく、ヴァッハウの生産者組合「ヴィネア・ヴァッハウ」の設立メンバーの一人としても尽力した。現在は、この偉大な人物を父に持つイルゼとその夫トニ・ボーデンシュテインが当主としてワイナリーの指揮を執っている。生物学・地形学研究者からワイン造りへと転身したトニは「From rock to wine」をモットーに、グリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングから畑の個性を表現することに心血を注いでいる。
溢れるほどの塩味と突き抜ける透明感、70年の古樹が伝える滋味!
ヴァインキルフェン村に700年の歴史をもち、先代のフランツ・プラーガーは「ヴィネア・ヴァッハウ」設立者の一人。現在は、生物学・地形学研究者からワイン造りへ転身したトニが当主として指揮を執る。「From Rock to Wine」畑の個性を表現することに心血を注ぎ、まさに彼のワインは「味わいの違い=テロワールの違い」。伝統と革新、そしてサスティナビリティーを融合した複雑な哲学を持ち、環境への深い配慮と次世代への責任を貫くワイン造りに徹している。
ヴァッハウ西部の鋼鉄の切れ味と東部のパワフルさ、この両者を絶妙なバランスで併せ持ち、世界中がプラーガーの美しいスタイルに魅了されている。国内屈指の影響力を持つ専門誌において最高峰5つ星評価を受け、WAからも「これほど偉大なグリューナーが未だかつてあっただろうか」「すぐに完売してしまうため試飲することすらできない」と評される。
「リースリング クラウス スマラクト」は、アハライテンよりもさらに北東に位置する標高 300m、南東向きの区画。1950年代植樹のブドウが植わる、グナイス主体の土壌。リンゴやグリーンハーブ、火打石のニュアンスを持つアロマ。力強い凝縮感がありながらも焦点がはっきりと定まっており冷涼さを感じさせる。
口に含むと濃密でジューシーで溢れるほどの塩味があり、上品な酸と非常にきめの細かいミネラルが余韻までしっかりと続く。長期熟成のポテンシャルを存分に秘めたヴァッハウ・リースリング至高の一本。
トニ曰く、「クラウスはチャーミングなリースリングではなく、プラガのワインの中で、最も自己主張の強いたくましいリースリング。
■2022年ヴィンテージ情報■
穏やかで非常に乾燥した冬(降水量は35mm)が過ぎ、3月1週目から2週目にかけてぶどうの成長周期がスタートした。4月末から5月初旬にかけてブドウが芽吹き始めるのと並行して、待望の雨が降った。6月は降雨量が非常に多く、夜はとても暖かく湿度が高かったため、べと病の感染リスクが非常に高くなり、特にグリューナー・フェルトリーナーは危機に瀕していた。6月中旬頃になると開花が始まった。気候条件の影響による花ぶるいがリースリングは非常に目立った。非常に暑く乾燥した7月と8月は、灌漑の実現性のないいくつかのブドウ園に干ばつのダメージを与えた。夏の長期化した干ばつと、9月初旬の降水量がとりわけ壊滅的だったことによって、わずかに熟しているブドウが病気感染の高いプレッシャーを畑にもたらしたため、慎重にブドウを選択することが不可欠だった。収穫の開始を待って、収穫に最も適した時期を見つけることも不可欠だった。収穫は10/31に終了した。概して、2021年よりも軽やかなヴィンテージで、エレガントで繊細な酸のストラクチャーがある。私はエレガンスがこのヴィンテージの主な特徴だと思う。収量に関して、特にリースリングは昨年より少ないが、畑での厳しい選別によって素晴らしい品質を実現させた!
■テクニカル情報■
樹齢:1953年植樹
醸造:除梗はせずに全房を約6時間かけて、最大0.8barの空気圧でプレス。発酵はステンレスタンクで約20日間。瓶詰め前に濾過。
熟成:ステンレスタンクで澱と共に最低3-4ヶ月
収穫日:10/23
生産本数:6,000本
残糖度:3.2g/L
酸度:8.2g/L
畑:約13.4ha (=33エーカー)、海抜300m、南東向き
ロケーション..ヴァイセンキルヒェン
アハライテンに隣接しており、リースリングで最も有名な畑のひとつ。畑は最も急なところで77%の急勾配。濃い色をしたミグマタイト-角閃岩、準片麻岩からなる南東向きの高台の畑では、タイトにからみつくパワフルなワインが生まれる。
PRAGER Riesling Klaus Smaragd
プラーガー リースリング クラウス スマラクト
生産地:オーストリア ヴァッハウ
原産地呼称:Wachau
品種:リースリング 100%
アルコール度数:13%
味わい:白ワイン 辛口
ヴァッハウではオーストリアのワイン法とは別に独自の品質基準を設定しています。
・Smaragd スマラクト:「エメラルド色のとかげ」
ヴァッハウで最高のワインに与えらえる名称でエメラルド色のトカゲに由来。
・Federspiel フェーダーシュピール:「鷹狩の道具」
鷹狩の道具にちなんで命名されたもので豊かな果実味を持つエレガントなワイン。
・Steinfeder シュタインフェーダー:「きゃしゃな野草」
野草になぞらえて命名された最も軽いタイプのワイン。
スマラクトは、3等級の中で最高のワインに与えられる名称です。
名前の由来は、エメラルド色のトカゲ『スマラクト』からで、このトカゲは良い畑にだけ現れると言われています。この表示ができるのは、糖度(KMW)18.2度以上のブドウから造られたアルコール度12.5%以上のワインとされています。
Falstaff:98 ポイント
ジェームス・サックリング:98 ポイント
PRAGER RIESLING WACHAU KLAUS SMARAGD 2022 Wednesday, October 25, 2023 Country Austria Region Danube Vintage 2022 Score 98
What a stunning example of cool climate riesling. It’s full-bodied and deep, but so cool and delicate, packing in sleek layers of honeysuckle, apricots, lemons and grapefruit married to thyme and crushed rock. So long and seamless, with tension and focus that just keeps going. Sustainable. Try from 2025.
ヴァッハウ西部の鋼鉄の切れ味と東部のパワフルさ、この両者を絶妙なバランスで併せ持ち、世界中がプラガーの美しいスタイルに魅了されている。
国内屈指の影響力を持つ専門誌において最高峰5つ星評価を受け、WAらも「これほど偉大なグリューナーが未だかつてあっただろうか」「すぐに完売してしまうため試飲することすらできない」と評される。
ヴァッハウ西部の繊細さと東部の豊満さを兼ね備えた地
ヴァッハウ地方は、冷涼な西のシュピッツ村と温暖な東のデュルンシュテイン村、そしてこの両者の中間に位置する中部のヴァイセンキルヒェン村の三つに大別される。東西に約20kmとモーゼル地方(約250km)に比べるとエリアの規模は小さくなるが、この狭いエリアに900を超える異なるリート(Ried=区画の意で、フランスでいうクリュの概念)がモザイク状に広がっている。これは各畑の土壌や斜度、向きや標高といったスタイルを決めうる要因が一つひとつ異なっていることに由来するが、中でも大きな影響をもたらしているのは気温である。高山からの冷気を受ける西部からパンノニア平原の暖気をより強く受ける東部へと気温が変化していくのに対応してワインの性格もフローラルな繊細さからトロピカルな豊満さへと変化していくのが良くわかる。西部の繊細さと東部の豊満さ、この二つを見事なバランスで兼ね備えるのが中部ヴァイセンキルヒェン村であり、この地に700年の伝統を持つのがプラーガーである。
「From rock to wine」畑の個性を表現することに心血を注ぐ
先代のフランツ・プラーガーはワイナリーを現在の地位まで引き上げた功労者であるだけでなく、ヴァッハウの生産者組合「ヴィネア・ヴァッハウ」の設立メンバーの一人としても尽力した。現在は、この偉大な人物を父に持つイルゼとその夫トニ・ボーデンシュテインが当主としてワイナリーの指揮を執っている。生物学・地形学研究者からワイン造りへと転身したトニは「From rock to wine」をモットーに、グリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングから畑の個性を表現することに心血を注いでいる。
畑は合計18haを所有し、ヴァイセンキルヒェン村を中心に一部は東部デュルンシュテイン村にも広がる。ドナウ川を見下ろすように急斜面に並ぶ畑は、片麻岩を主体に石がちな土壌が多く、この地では珍しい石灰を含む大理石も一部見られる。ヴィネア・ヴァッハウ所属のワイナリーには厳格なルールが課され、そのため収穫は全て手摘みで行い、除草剤や農薬は使用しない。醸造では、全てのワインに対してほぼ同じアプローチをするため味わいの違いは純粋にテロワールの違いと言える。収穫後、除梗をせずにプレスしステンレスタンクで発酵を行う。その後、最低4週間澱と共に熟成させ、瓶詰め前に濾過。プラーガーでは木樽は一切使用しない。
緻密なミネラルと各リートの個性の違いを味わう「幽玄」のワイン
緻密なミネラルと各リートの個性の違いを味わう、いわば「幽玄」のワインを造るプラーガーは、国内屈指の影響力を持つワイン専門誌FalstaffとVinariaで同国の一流生産者であるヒルツベルガーやクノール、F.X.ピヒラーらと同じ最高峰5つ星評価を受けている。例えば西部のヒルツベルガーが鋼鉄の切れ味とすると東部のピヒラーはアルザス・グラン・クリュに通ずるパワフルさがあるが、プラーガーはこの両者を絶妙なバランスで併せ持っており、世界中が彼のワインの美しいスタイルに魅了されている。WAからは「ワールド・クラス・ワイン」「これほど偉大なグリューナーが未だかつてあっただろうか」「すぐに完売してしまうため試飲することすらできない」、WSでは「トニはオーストリアの中で最も優れた(天賦の才を持った)ワインメーカーのひとり」と大絶賛の嵐である。プラーガーはもはやヴァッハウではなく、全オーストリアを代表する生産者と言っても過言ではなく、見かけたら是が非でも手に入れるべき希少価値の高い生産者である。